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開業届の完全ガイド

目次

開業届どう出す?

1. 開業届とは?

開業届とは、個人事業を開始したことを税務署に届け出るための書類です。正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」と呼ばれ、事業を開始したら、開始日から1ヶ月以内に提出することが推奨されています。ただし、提出しなかった場合でも罰則はありません。

2. 開業届を提出するメリット

開業届を提出することは、単に法律上の義務を果たすだけでなく、以下のような多くのメリットがあります。

  1. 青色申告が可能に
    開業届を提出し、「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に出すことで、青色申告が可能になります。青色申告を行うことで、最大65万円の特別控除を受けることができ、さらには赤字が出た場合の損失を翌年以降に繰り越すことが可能です。これにより、長期的に見た場合の税負担を大幅に軽減できます。
  2. 事業専用の銀行口座を開設
    屋号を使った銀行口座を開設できるようになります。これにより、個人の資産と事業の資産を明確に区別でき、経理業務がスムーズに進行します。また、事業資金の管理がしやすくなるため、財務状況を把握する上でも非常に有効です。
  3. 職業の証明として利用可能
    開業届は、あなたが正式な事業主であることを証明する書類となります。これにより、クレジットカードの発行やオフィスの賃貸契約がスムーズに進むだけでなく、信用力を高めることができます。

3. 開業届を提出するデメリット

一方で、開業届を提出することにはいくつかのデメリットも存在します。

  1. 扶養から外れる可能性
    開業届を提出すると、配偶者や親の健康保険の扶養から外れる可能性があります。これにより、国民健康保険や国民年金に加入する必要が生じ、自身でこれらの保険料を支払うことになります。特に、扶養の範囲内で働いていた場合、経済的な負担が増加する可能性があります。
  2. 失業給付が受けられなくなる
    開業届を提出すると、あなたは事業主として活動を開始したと見なされ、失業給付を受ける資格を失います。再就職活動中の方は、この点に十分注意が必要です。
  3. 帳簿付けの手間
    青色申告を行うためには、複式簿記による帳簿付けが必須です。これは、事業の収入と支出を細かく管理するために重要な作業ですが、簿記に不慣れな方にとっては大きな負担となる可能性があります。

4. 開業届の提出手順と必要書類

ここでは、開業届の提出方法と必要書類について、ステップバイステップで詳しく説明します。

開業届の提出方法
  1. 税務署に直接持参する
    開業届を記入し、必要書類を揃えて最寄りの税務署に持参します。受付窓口で提出し、受領印が押された控えを受け取ります。この控えは、今後の手続きで使用することがあるため、大切に保管してください。
  2. 郵送で提出する
    税務署まで足を運べない場合、郵送でも提出が可能です。この場合、控えを返送してもらうために、返信用封筒に切手を貼って同封することを忘れないでください。控えには税務署の受領印が押されて返送されます。
  3. e-Taxを利用してオンラインで提出
    自宅からでも簡単に開業届を提出できるのが、国税庁の提供するe-Taxシステムです。まず、利用者識別番号を取得し、必要な情報を入力して開業届を提出します。オンライン提出の場合でも、控えは電子データとして保存されますので、紙と同様に大切に保管してください。

「開業届」と検索すると国税庁のホームページが出てくるので、「個人事業の開業・廃業等届出書」をダウンロードできますよ!控えは印を押して返してくれるので、大切に保管しましょう!

「管轄の税務署」の欄は分からなければ国税庁のHPで調べて下さいね!

「個人番号」はマイナンバーカード

「屋号」は空白でもOKですが、決めておくと勤務先を記入したりする際に何かと便利ですよ!

必要書類
  1. 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
    この書類は国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、税務署で入手することができます。書類には、事業内容、開業日、屋号(任意)、事業所所在地などの基本情報を記入します。
  2. 青色申告承認申請書(希望する場合)
    青色申告を希望する場合は、開業日から2ヶ月以内に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。この申請を行うことで、最大65万円の特別控除など、青色申告の特典を受けることができます。
  3. 本人確認書類
    運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です。郵送の場合は、これらの書類のコピーを「本人確認書類(写)添付台紙」に添付し、提出します。
  4. マイナンバーが確認できる書類
    マイナンバーカード、またはマイナンバーが記載された住民票の写しなどが必要です。マイナンバーを確認できる書類は、税務署での提出時に提示するか、郵送時にコピーを同封します。
  5. 印鑑(直接提出の場合)
    税務署に直接提出する場合、書き間違えた際の訂正印として印鑑が必要です。また、屋号を使っている場合は、その屋号の印鑑を持参することをお勧めします。

5. 青色申告承認申請について

青色申告承認申請(青色申請)は、個人事業主が税務上の特典を受けるための手続きです。青色申告を行うことで、以下のようなメリットがあります。

  1. 特別控除
    青色申告を行うことで、最大65万円の特別控除を受けることができます。この控除は、帳簿をきちんとつけ、決算書を作成している事業主にとって大きな節税効果をもたらします。
  2. 損失の繰越し・繰戻し
    青色申告を行うことで、赤字を翌年以降3年間繰り越すことが可能です。これにより、事業が軌道に乗らない初期段階でも、将来的な利益が見込める場合に節税効果を得られます。
  3. 家族従業員の給与を経費計上できる
    青色申告を行うことで、家族従業員に支払った給与を経費として計上できるようになります。これにより、所得税の負担を軽減することができます。
青色申告の要件

青色申告を行うには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 帳簿を複式簿記で記帳
    青色申告を行うためには、日々の取引を複式簿記で記帳し、帳簿をきちんと整える必要があります。これには売上帳、仕入帳、現金出納帳、預金出納帳などが含まれます。
  • 決算書の作成
    確定申告時には、複式簿記で記帳した内容を基に決算書(貸借対照表、損益計算書)を作成し、税務署に提出します。

6. 開業準備経費について

開業準備経費とは、事業を開始するためにかかった初期費用を指します。これらの費用は、事業の開始後に経費として計上できます。具体的な費用には以下が含まれます。

  • セミナー参加費用
    業界知識やビジネススキルを学ぶためのセミナーに参加した費用。
  • 調査費用
    事業計画を立てるために行った市場調査や競合調査にかかった費用。
  • 通信費
    インターネット接続や電話料金など、事業に関連する通信費用。
  • 打ち合わせ費用
    事業の開始前に行ったビジネスミーティングや打ち合わせにかかった費用。
  • 広告宣伝費
    チラシやウェブサイト、広告掲載にかかった費用。
  • 設備・備品購入費
    パソコン、プリンター、オフィス家具など、事業に必要な設備や備品の購入費用。
繰延資産としての処理

これらの開業準備経費は「繰延資産」として処理され、数年間にわたって償却することが可能です。繰延資産として計上することで、開業初年度の経費が軽減され、資金繰りが楽になります。

7. 開業届提出後の手続きと注意点

開業届を提出した後には、以下の手続きを行うことが求められます。

青色申告承認申請書の提出

開業届を提出した後、青色申告を希望する場合は、開業日から2ヶ月以内に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出します。これにより、青色申告特典を受けることが可能です。

銀行口座の開設

事業用の銀行口座を開設することで、個人の資金と事業の資金を明確に分けることができます。事業用口座を持つことで、経理の効率化が図れ、経費管理や資金管理がしやすくなります。

許認可の取得

業種によっては、開業前に営業許可や登録が必要です。例えば、飲食店を開業する場合は保健所からの営業許可が求められます。許認可の取得には時間がかかる場合もあるため、早めに準備を進めることが重要です。

社会保険の手続き

個人事業主として開業すると、国民健康保険や国民年金への加入が必要です。これらは勤務先の社会保険から切り替える手続きとなり、速やかに行うことが推奨されます。

8. 開業届に関するよくある質問(FAQ)

最後に、開業届に関するよくある質問に回答します。

Q1: 開業届を提出しないとどうなりますか?
A: 開業届の提出は法的には義務ですが、提出しなかった場合の罰則はありません。ただし、青色申告や事業用口座の開設などのメリットを享受できなくなるため、提出することを強くお勧めします。

Q2: 屋号を設定する必要はありますか?
A: 屋号の設定は必須ではありませんが、事業を行う上でブランディングや信用力向上のために設定することが一般的です。屋号を持つことで、銀行口座やクレジットカードの発行がスムーズになります。

Q3: 青色申告承認申請書を提出し忘れた場合は?
A: 開業日から2ヶ月以内に提出しないと、その年は青色申告ができなくなります。しかし、翌年度から再申請して青色申告を行うことは可能です。開業届と同時に出す事をおすすめします。

Q4: 開業届を提出した後に事業内容を変更した場合は?
A: 事業内容や事業所の所在地を変更した場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を再度提出する必要があります。変更届は速やかに行うことが求められます。

Q5: 開業届を提出した後に廃業する場合はどうすればよいですか?
A: 廃業する場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出して廃業の手続きを行います。また、青色申告をしている場合は「所得税の青色申告承認申請書」の取り下げも必要です。

まとめ

開業届の提出は、個人事業主としての第一歩です。正確な情報と手続きで、スムーズな開業を目指しましょう。この記事を参考に、開業届の提出を行い、事業を成功に導く準備を整えてください。青色申告の申請や開業準備経費の処理も忘れずに行い、税制のメリットを最大限に活用しましょう。

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この記事を書いた人

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